RS 700
ジェネカーとトラッピーズを備えた究極のシングルハンドディンギー
シングルハンド、トラピーズ、ジェネカーの強烈なスタイルが目を引くRS700。ディンギーのなかでも最高級の刺激が期待できる究極のパフォーマンスボートだ。 いまの日本に同一のスタイルを持つディンギーは見あたらない。その奇抜さは、ハイドロシステムで水面から浮いて走るモス級のようでもある。スタイルから想像できるのはRS700に「乗りこなす」という魅力も備わっていることだ。既存のディンギーに物足りなさを感じているセーラーなら少なからず関心を寄せるはずだ。
スマートなバウ先。ポールはステムを貫通してバウデッキへ収納される。
ハルはGRP製のサンドイッチ構造だ。
デッキ内部は非常にフラットでオープントランサムを採用。
ウイング後方にトラピーズ時のフットベルトがある。
RS800には、長い歴史を持つインターナショナル14級から派生した部分が多く見られる。RSシリーズを設計するフィル・モリソンがインターナショナル14級を代表するデザイナーなのだから当然でもある。しかし、規格限定級(クラスルールの許容範囲が広く、スピードの追求を目的に開発されるクラス)のインターナショナル14級の開発はエスカレートしすぎてしまう傾向も否めない。スピードを追求するあまりハル、マスト、ブームにカーボンなどが使用され、船体価格が上昇してしまった経緯がある。
コントロールシートは、メインカム周辺に集中する。
これでクルー、スキッパーのどちらでも操作できる。
RS800ではセルフタッキングシステムを採用している。
クルーはジェネカーとバランスに専念できる。
RS800はインターナショナル14級の高騰する船価をおさえ、世界的な普及をも目的にした「より身近な怪物マシン」といえるだろう。イギリス本国での全英選手権の出場数を比べてみれば、RS800の評価がある程度予測できる。英国のセーリング雑誌「Yacht & Yachting」誌によれば、インターナショナル14級は2000年の大会をピークに参加艇が減少傾向にあるが(2004年は45艇出場)、RS800は60艇平均の参加が見られる(2004年は70艇出場)。こうしたデータからもイギリスでRS800の普及は、目覚ましいものがあると認めて良いだろう。
凸状になる足場が左右2列見える。これはトラピーズからデッキに入るときに有効な足場だ。
RS800ではメイン、ジブともにセール形状を保つフルバテンでハイドセール社のマイラーフィルム製を採用
RS800のセーリングは、想像以上にパワフルである。巨大なセールをダブルトラピーズで支え、スキフの細長く抵抗の少ないハル形状により爆発的なスピードが生まれるのだ。また、クルーで乗ると限定すれば初心者でも豪快なハイスピードを体感できるのも魅力だろう。まるでドーパミンが放出されるような、ハイスピードの興奮的世界が待っている。
豪快なセーリングだけに難しさを想像しがち...
しかし、クルーなら比較的容易に怪物パフォーマンスボートに乗れる。
軽中風域でもセールパワーによって、高速プレーニングが期待できる。
ハイスピードの世界は刺激的すぎる!
RS 700の特徴
究極のシングルハンダーであるRS700の魅力はそのスピードとなんといっても自分1人で乗れることです。ダブルハンドのパートナー探しなどに疲れているときに1人で波や風を攻めたい時こんなヨットに乗れたらなと誰でも思うはずです。確かにRSシリーズでも難易度は一番ですがセールを小さくすることによりヨット経験が浅い方でもトライできます。実際購入する方はヨット経験がある方ではなくスピードの魅力やかっこよさ思い切りのよい方が迷わず購入されているようです。ヨット経験が長い方よりもヨット以外のアスリートが経験年数を運動能力でカバーできるスーパーディンギーです。ウインドサーフィンやサーフィンから転向している方も多くいます。もちろん470やFJのクルーなどからの挑戦もいいと思います。私自身はハイクアウトディンギーからの転向のため始めは苦労しましたが今では後戻りができなくなりました。基本スペック
2020年価格 \ 2,900,000(税別)
全長:4,680m
帆走重量:79kg
リグ形式:キャットリグ+ジェネカー
スピン:有り
全幅:1,920~2,330m
セール面積:12.8m2(メイン)
トラピーズ:有り
製造元:LDC(英)
船体重量:56kg
セール面積:16m2(ジェネカー)
ハル構造:Epoxy GRP foam sandwich