雷についての基礎知識
夏になると雷がゴロゴロ言って、とても不安な日がありますね。
実際に雷は危険なので、少し知識をつけておくといいですよ。

1基礎知識 雲を見る
雷を起こす雲は積乱雲です。
夏によく見られるのは、積雲が暑い日中むくむくと発達し雄大積雲(入道雲)になり、1万km近くの高さに達するとその上部が吹き流されて、朝顔のように平らになって積乱雲になりますから、雲の頭をよく見てみましょう。
ただし、積雲が積乱雲に発達するのは早い時は7、8分ですから、油断しないこと。
周囲の雲の動きが激しい時、雲の頭が膨らんだりしぼんだりしている時は特に注意が必要です

2基礎知識2 雷の種類

雷が発生するかどうかは、積乱雲が発生するかどうかと同じことです。
では雲はどうして発生するのでしょうか? 答えは上昇気流ですね。
雷には、暖気と寒気の境目にできる上昇気流によって発生する界雷、地表や海面が日射によって温められてできる上昇気流によって発生する熱雷、熱雷が前線の影響受けて発生する強烈な熱界雷があります。
初夏から夏に、低気圧が通過して、大陸から冷たい移動性高気圧が張り出してきて発生するのが界雷、夏型の気圧配置になった盛夏に起こる夕立が熱雷と熱界雷と覚えてよいでしょう。

3初級編 雷が発生しやすい条件

太平洋側で雷が多いのは初夏です。
気圧配置を見ると低気圧が日本を通過し、その後から移動性高気圧が張り出した時に雷は発生しやすくなります。 梅雨の季節には、梅雨前線が南下して寒冷前線の性格を持った時、大平洋高気圧によってが前線が日本の北に押し上げられ夏のような天気が続いた後に、前線が南海上まで南下して梅雨空に戻る時などに発生しやすくなります。 これは移動高の上部の寒気が流れ込んで温度差が生じ上昇気流が発生するためですから、
高層天気図で中国東北部に強い寒気があったら要注意です。

こんな時は、天気予報で必ず「大気が不安定」と言いますね。


4実践編 何に注意するか
・まず天気予報です。
「上空に寒気が流れ込み」「大気が不安定」と発表されます。
・注意報を見よう
web上で天気をチェックしている人は、必ず「注意報」の欄を見ましょう。
神奈川県、静岡県に出ていなくても、長野県、山梨県に出ている時は要注意です。
・朝の雲を見よう
夏の天気のよい日には必ず積雲が発生しますが、通常は10時以降です。
しかし、雷が発生する日は日の出直後から積雲が湧きはじめます。
・積雲の底に注目
雷が発生する日の積雲は底が通常より低く、雲の下の空気がもやっとしています。
朝から空気の感じがもやっとしている日は要注意。感覚的には一番分かりやすいですね。
・積雲の動きに注意
ぽつぽつと浮ぶ積雲は好天の印ですが、くっついたり、ふくらんだり、しぼんだりする時は雷雲になる前兆です。
・富士山の気温に注意
気象通報を聞いている人は朝6時の富士山と御前崎の気温をメモして下さい。
気温差が20度以上あったら要注意です。

5実践編
熱雷と熱界雷を発生させる積乱雲は南西ないしは西に移動してきます。
過去の統計によると、箱根付近で発生した積乱雲は西から東に向かって湘南へ移動してきます。
森戸では、富士山の方向の雲の発達に注意しておけばよいことになります。

6おまけ 雷は夏?
雷が一番多いのは実は冬の北陸です。
この雷雲は雄大積雲で、冬の冷たい季節風が日本海を渡る時に比較的暖かい海面上に積雲を発生させるのです。
季節風が強くなってくることを示し、吹雪の前ぶれとされています。

7おまけ2 ヨットに雷は落ちるか?
どうやら落ちるようですね。
雷は金属に落ちるという誤解がありますが、雷は伝導率に関係なく高い所に落ちます。
したがってマストは危険率ナンバー1です。
ディンギーはすぐに浜に戻って、マストから離れて下さい。
クルーザーはマストを避雷針にしてキールにアースをとっても、キールの表面で絶縁されていますから効果はありません。サイドステーにカラビナなどでワイヤーを取り付け、電流を海面に流す方法がよいようです。

 どうして梅雨になるの?
南の小笠原高気圧(暖かく湿った海洋性熱帯気団)と、シベリア高気圧(冷たく乾いた大陸性寒帯気団)およびオホーツク高気圧(冷たく湿った海洋性寒気団)という寒暖の違いのある空気の塊が、押し合うようになった場所に梅雨前線という停滞前線ができます(図1)。前線は6月初旬に沖縄から日本列島を上下しながら北上し、7月中旬に北海道を越えます。この前線上に生ずる雲が梅雨の雨を降らせるのです。
2 .前線とは
前線は温度の違う空気の塊のぶつかる場所です。寒気が優勢で、暖かい空気の下に潜り込んでいくのが寒冷前線(図2)で、暖気が優勢で、冷たい空気の上に這い上がっていくのが温暖前線(図3)です。前線では、上昇気流ができ、雲が発生します。前線を伴った低気圧の例でご存じの通り、温暖前線は傾斜が緩やかなため長い距離に渡って雲ができ、しとしと雨が続き、通過後は暖かくなります。寒冷前線は傾斜が急なため大きな積乱雲(雷)ができやすく、急に激しい雨が降り、通過後は温度が急下降します。

3.梅雨前線の特徴

低気圧に伴う前線通過と違い、寒暖の気団の強さによって、梅雨前線は寒冷前線となったり温暖前線となったりします。
そのため、梅雨時は、複雑な雲が発生し、しとしと雨が降ったり、急に雷雨になったりするのです。前線の上下はジェット気流の影響(ブロッキング現象)を受けて複雑に変化します。

4.梅雨の移り変わり
梅雨の初期は、寒気団が強く、北日本を覆うように張り出す移動性高気圧が寒冷なものである場合には、冷たい雨や雹、雷雨が起こりやすくなります。
梅雨といっても、ずっと雨が降り続くわけではありません。北に張り出した高気圧が前線を押し下げる形の北高型、大平洋高気圧が前線を押し上げ夏型のようになる南高北低型、大陸からの高気圧に覆われる移動高型の3パターン(図4)が、
梅雨の中休みといわれる好天です。意外なセイリング日和がありますから、天気図を見るクセをつけておきましょう。
北高型では北風が強まる場合があること、南高北低型では午後になって雷雨(熱雷・熱界雷)となる場合があること、移動高型ではすぐ後ろに気圧の谷が控えていることに注意が必要です。
雨は梅雨の末期が本番です。日本列島上に停滞した前線に向かって、南から湿った空気が吹き込み、前線の活動が活発化することが多く、集中豪雨が起こりやすくなります。フィリピン付近などはるか南であっても台風が発生している場合は、流れ込む湿った空気は加速され大雨になります。

5.梅雨時の天気
梅雨の天気は前線の性質でさまざまに変化します。基本的には、南寄りの暖かい風が吹く時はしとしと雨が降り、北寄りの冷たい風が吹くときは雷雨(界雷)や急な天気の悪化が起こると覚えておきましょう。特に注意が必要なのは風向で、前線の南側では卓越風は南西風、北側では北東風ですから、前線の位置によって風が180度変わってしまいます。

6.森戸での天気の注意点
森戸海岸はほぼ西向きです。地図や海図で方向を把握しておきましょう。
練習海域は何かトラブルがあったときに流されても帰れる位置が基本です。
網や岩場の風上では絶対練習しないこと。

・南寄りの風が吹く場合
風と波は菜島、芝崎に遮られるので浜では弱くなりますが、大平洋高気圧の縁(前線の南側)では強風と大波が起こっていますから、菜島の外では風が強まり、うねりも入ってきます。
日射がある日は、南風が午後の海風で加速され強風となる場合があります。
午前中がんばって、お昼を遅くして様子を見るのがコツです。
また、南の高気圧に覆われて晴れた日には午後雷雨の可能性があります。

★練習海域は浜から見て左手の森戸神社寄り、網の手前で!


・北寄りの風が吹く場合

天気の急変に注意しましょう。風は背後の丘陵の影響で、浜の近くで変化が激しく、シフトの大きなブローがまじりますが、海面はフラットになることが多くなります。晴れた日には、午後になって海風が北風と伯仲し、風が止まることもあります。
ブローの練習は午前中に集中してやっておきましょう。また、スプレーや沈で体が濡れると風で体温を奪われますから、まだスプレージャケットは必携です。冷たい空気が流れ込んで界雷が起こりやすい不安定な天気になる場合は、富士山や丹沢の方が早く影響を受けますから、山の上の雲が急に発達したり、暗くなったら、浜の近くに戻りましょう。

★練習海域は浜から見て右手の堤防よりで!






7.着艇時の注意

前線の位置によって、南西、北東と風が大きく違いますから、着艇時に混乱しないよう考えておきましょう。
南側の菜島の岩礁帯と北側の防波堤の位置関係を頭に入れておいて下さい。着艇時は、ラダーとセンターボードを
壊さない注意すること。スターンから下りて、ラダーを上げて持つか、はずしてしまいます。
また、バングは完全に緩めておくこと。基本的には、浜に1人以上仲間がいる時、そして波の周期を見て、
弱い時をねらって着艇して下さい。


・南西の風の場合
追い風で帰ることができますが、浜の北側の防波堤に向かって流されることが最大の障害となります。
うねりが入ってランニングが不安定な場合は、北寄りからリーチングで浜の南寄りを目指します。
浜の近くにくれば、シバーして(メインシートをはずすか、長めのメインシート15m以上を全部緩める)、バウを浜に向け、流されながら着艇します。ラダーを波にまかれるとラダーヘッドとティラーが必ず曲がりますから注意しましょう。仲間が浜にいる時は、浜の10mほど手前で風位に立てても構いませんが、ラダーとセンターボードに注意してください 。


・北東の風の場合

帰りが上りになることに注意しましょう。菜島を大きくかわして北寄りからアプローチし、ポートのアビームで浜の南寄りを目指します。ここで早くタックすると上り切れなくなりますから、浜の直前まで来てからタックして角度を落として着艇すれば、ラダーやセンターボードを抜く余裕もできます。ラダーは早めに半分上げても構いませんが、センターボードをあまり早く抜くと上れなくなるので注意しましょう。センターボードは抜かなくても、ブームに当たらない位置まで上げておいてあとで抜いてもかまいません。抜く時は風上に行って、必ずブームが風下になるようにします。


・最後に出艇・着艇時に波がある場合の注意
基本は風上にバウを向けることですが、波のある時は波にバウを向けます(セイルに風がはらまないように注意)。ティラーがボートの下に入ってしまい、ティラーやラダー・ヘッドを曲げてしまうことがあるので注意しましょう。

(図は飯田睦治郎『登山者のための最新気象学』1999・山と溪谷社を参考にしました)