RS200 UK NATIONALS

                                    20-24 Aug, 2006  Exe SC Exmouth Devon UK
RSはRACING SAIL BOATの略でイギリスのLDC社が発売をしているブランドでその中に艇種が13あるその中でもっともレース参加者が多いのがRS200である。イギリスで生まれたRSもまだ歴史は浅い。1993年に発売されたRS400がペアの合計体重が135KGから165KGをターゲットにしているのに比べ2年後に発売されたRS200は112KGから137KGをターゲットにしている。ダブルハンドのため同じ体重が2名でなくても合計体重でよいために幅広い組み合わせでの参加が可能となり2006年のUKナショナル選手権では130艇のビックフリートとなりイギリス国内でおこなわれるナショナル選手権のダブルハンドではもっとも参加数の多いクラスとなった。


第3レースのトップ3 
Gilbert兄妹(Frensham Pond SC)( 総合1位)に続くLittlejohn・Clarke(Lancing SC)(左)と CarvethClarke(Littleton SC)(後)

第1レース


ダウンウインドのスペシャリスト Team RonstanのCarvethClarke(総合2位


第5レース スプレッダーへ向かうNakao・Arai (Hayama SC)

RS200のデザイナー  Phil Morrison  (右)
EXE SC のクラブメンバーでもある

参考 2006UKナショナル選手権参加艇数上位5艇種
オプティミスト  361艇  、トッパー 289艇 
RS200 130艇  レーザーラジアル  121艇  
カデット  118艇 
ダブルハンド参加艇数上位
1. RS200   2.カデット 3.ミラー107艇 エンタープライズ107艇
日本で普及している艇種のUKナショナル参加数
ファイアーボール55艇 、テーザー32艇、
スナイプ19艇 、470級 14艇 

セーリングクラブの前に係留してあるクルーザー
干潮だと歩いていける。 イギリス スタイルだ。

ヨットハーバーはたくさんある

レース前にジュニアのナショナルチームにアドバイスするCarveth

レースを支えてくれたEXE 
セーリングクラブのボランティアスタッフ






































































日本からの参加が決まったのは今年の5月、LDC経由でロイヤルネイビーヨットクラブのチャーター艇があるという連絡を受け急遽2チームが参加をすることになった。レースを開催したexe セーリングクラブはロンドンから西へ車で3時間程走るとEXETERという大きな町に着く、そこから海へと南下するとEXEセーリングクラブのあるEXMOUTHという小さな町がある。イギリスの中では比較的温暖な観光地である。クラブハウスは川の河口にあり 川にはクルーザーがたくさん係留してあり、河口でのセーリングも楽しめる。引き潮になるとクルーザーは陸上にあがったままの状態となるがこれもイギリスのスタイルだ。大きなマリーナではなく自然をそのまま使ったセーリングクラブでありそれほど広いわけではない。130艇260名の選手を迎えるために ヨットを別の場所にを移動したり他の場所に駐車スペースを確保したりしていた。ヨットの運搬はほとんどが車でトレーラーを引っぱってくる。1艇でくるか、トレーラーに2艇積みで来るのが一般的だが中にはカートップの選手もいる。 レース海面は河口から潮の流れと水深を気にしながら海に出て2マイル沖合いにいった潮や風が安定したところでおこなわれた。ゲートスタートを使って130艇一斉のスタートをおこなうので上マークまでの距離はしっかり取れる広い海面である。 RS200をはじめさまざまなディンギーを成功させているデザイナー フィルモリソン自らが指揮をしてレースを運営していた。ナショナル選手権とはいえイギリスで最もコンペティティブなダブルハンドクラスであるため運営は世界選手権と同レベルでとってもよいレースであった。1レース60分から90分のレースを1日2レース 5日間をかけてしっかりおこなう。日程に余裕があるため風速5kノット以下のレースは風を待ち、風向180°〜320°風力2〜5のとってもいい風に恵まれながら内容の濃いレースが楽しめた。
 RS200は長さ4Mで幅が1.83Mというハルサイズで470やスナイプなどと比べると長さが短く太めの船体で中央の部分の深さがあり、簡単に表現するとおわん型に近い。回転性能がよく普通に舵を操作してタックをするとまわりすぎてしまう。メインの大きさのわりにジブセールが小さいくメインとのオーバーラップも少ない。ジブカムの位置が前にあるためにタックのときにセールの張替えが簡単である。クローズではタッキングでの艇速が落ちないためにタクティクスを駆使できる。ただタッキングを失敗すると艇速がおちやすく、ティラーをきりすぎるとすぐに角度を失う、タッキングの技術の差がかなり出る。体格の小さなクルーでもできるように偽装も工夫がこなされている。スピンはヘルムスマンがアップダウンすることもクルーがすることもできる。体格の小さなヘルムスマンと組んだ場合、大きなクルーでも横幅と深さがあるためにスペースは広く確保できている。体格的にはあらゆる組み合わせに対応できるのも特徴的だ。そしてなんといってもアシメトリック(非対称)スピンのためジブ感覚の操作性でスピンのスピードが楽しめる。RS=速いと思う人が多いがRS200は決して速いヨットではなくタクティクスを楽しむトレーニングボートとしての人気が高いのである。普通のレーシングクラスと違うところはそれほどレースだけにこだわっている雰囲気はなく、とってもフレンドリーであるので誰でも参加がしやすいということである。夫婦、カップルだけでなく親子、祖父と孫など年齢層が幅広い。
Littlejohnファミリーでは4艇も参加している。

イギリスに来てRS200のレーシングディンギーとしての人気の高さを感じた。

表彰式でとてもすばらしいレースに対するお礼の挨拶をする岡本選手、冗句の連発でかなり盛り上がった。(写真左 上)

入賞チーム  3位のHewitson夫妻は過去のRS200のチャンピオンでもある。すべて男女のペア。(写真右上 左)

プロフェッショナルコーチ Littlejohnと日本チーム(写真左下)    ベストレディースの Allan 総合10位(写真右下 )

Lovely Weather

猛暑から一転し曇りがちで雨が降るとドライスーツを着ているセーラーもいる。イギリスではこんな気候でもみんなLovely weather

と言うのだ。風速3m〜8mで風の強弱、風向の変化の激しいコンディションとチョッピーな波がある海面でのシリーズが始まった。

2日目が終わった時点で安定したスピードと抜群のコンビネーションのGilbert兄妹と ダウンスピードのスピードで確実に順位を上げてくるCarvethClarke組がリードする展開となる。2チームとも上マークでなからずトップというよりも少しづつ順位を上げているという印象だ。3位にはLittlejohn・Clarkeが続いた。3チームとも国内のトップレーサーとしてのビッグネームだ。Gilbertは49erのイギリス代表としてワールドにも参加しており、Carvethは国内18個のナショナルタイトルを持つベテラン。Littlejohnはレーザーワールドで8位の選手経歴とシドニーオリンピックのコーチでレーザー、ヨーロッパ、フィンの金メダリストを出している。3日を終わった時点でLittlejohn・Clarkeは優勝争いから一歩脱落、Gilbertは2位のCarvethClarkeと6点差とはいえ安定した走りを考えると優勝確実かと思われたが翌日の7レースでCarvethClarkeがトップをとり追い上げが激しくなりプレッシャーがかかったのか?風速3〜5mの8レースでは47位をとってしまった。Gilbertといえども第一マークでの順位が悪いとこの風速での追い上げはきびしい。この時点で2点差まで詰め寄られた。プレッシャーをはねのけ混戦したフリートを避けるように最終日の9レースは自分の走りを信じ第一マークを上位でまわることができ2位でフィニッシュし優勝に大手をかけた。CarvethClarkeが優勝するにはGilbertが7位以下かもしくは4点差をつけるという状況だった。プレッシャーの中、落ち着きを取り戻したGilbertは最終レース1位でフィニッシュし130艇のビッグフリートの頂点に立った。日本チームはNakao・Araiが総合55位。Okamoto夫妻が総合122位に終わった。レース前日にブリーフィングがありそのときにEXE SCとHAYAMA SCとのフラッグ交換がおこなわれ国際交流的なレースを感じた。毎日レース後にパーティーがあり、EXMOUTHの市長と話をする機会がもてたり、相撲大会、カラオケ、などが行なわれイギリスと日本との文化交流もあり、とっても素敵な5日間をプレゼントされた。メインスポンサーであるGulとEXEセーリングクラブの多くのボランティアスタッフに感謝し、これからのRSシーンに日本のセーラーがたくさん参加できるベースができたことでこの大会への参加の大成功を確信できた。日本では団体レースの正式種目でないとなかなか急速な普及は難しいと思うがRSディンギーのような一般社会人が気軽に参加できるクラスでも真剣にレースを楽しめるので興味がある方はぜひ参加をしていただきたいと思う。              レポート  参加選手一同                      


クラブハウスでくつろぐRS200 Team JPN と Rick Newcombe(EXE SC)

どうしてRS 200がいいのか?                        ヨット用品のページ
RS200の魅力はなんといっても気楽にレースに出れて真剣にレースが楽しめることです。全体的にアンダーパワーではありますが逆にそこがレースなどでは楽しさでもあります。スピード差がないためタクティクスが楽しめコースの取り方などの勉強にもなります。アップウインドではハイクアウトも重要です。スナイプやレーザー・ホッパーのようなハイクアウト感覚です。ダウンウインドはスピードもありますが波に乗せられるくらいのスピードなので波の使い方の練習にもなります。レーザーのような感覚で走れます。アシメトリックスピンのためダウンウインドのタクティクスもわかり易く学べVMGを考えたりアパレントウインドの変化にどう対応するかもよりわかり易く勉強できると思います。どちらかというとエンジョイタイプではなくしっかりヨットを勉強したい方に適しているディンギーです。RSシリーズの中でもスキッフではなく普通のディンギーですがバランスのとり方が敏感で勉強になるので後にはRS800のスピードへ挑戦するステップに出来るディンギーです。
                                                          RS200    Kazuyoshi Nakao