【RS700】 カッ飛びディンギーが生む最高潮の刺激  

シングルハンド、トラピーズ、ジェネカーの強烈なスタイルが目を引くRS700。ディンギーのなかでも最高級の刺激が期待できる究極のパフォーマンスボートだ。  
いまの日本に同一のスタイルを持つディンギーは見あたらない。その奇抜さは、ハイドロシステムで水面から浮いて走るモス級のようでもある。スタイルから想像できるのはRS700に「乗りこなす」という魅力も備わっていることだ。既存のディンギーに物足りなさを感じているセーラーなら少なからず関心を寄せるはずだ。

バウポールはハリヤードと連動し、スピンのアップダウンで自動収縮する。スピンポールはアルミ製だ。 バウ先はシャープだが、ミジップに映るに連れてボリュームが増していく。ハルはGRP製でサンドイッチ構造
いまシングルハンド艇は、レーザーやシーホッパーのようにキャットリグのハイクアウト艇が主流になっている。艤装を極めて簡略化し、カートップ移動もできるという手軽さも手伝って日本で人気の高いディンギーである。ただし、シンプルすぎるためセーリング中のセーラーの肉体には多大な負荷が掛かってしまう。シングルハンド艇は、ほかのディンギーに比べて「ツライ」という印象も残る。  
しかし、RS700にはシングルハンドの概念は当てはまらない。トラピーズによって肉体の負荷が減少され、ジェネカーはこれまでのシングルハンド艇にはないスピードをもたらす。RS700は、まったくあたらしいコンセプトから生まれたシングルハンド艇であり、RSシリーズを継承するハイスピードが魅力である。


バング、アウトホール、カニンガムは左右のウイングにリードされ、トラピーズ状態でも操作できる。 カーボン製のバウポールは3カ所で固定される。RS700には標準でポンプアップシステムが採用されている。
RS700の特筆すべき点は、ひとりで操作するには不可能とも思える艤装をシンプルにまとめたことだ。マスト、ブームにはカーボンが採用され、船体重量も56kgというライトウェイトである。ジェネカーにはポンプアップシステムにより片手でも楽にアップダウンできる仕組みだ。コントロールロープ類はマストの下から左右のウイングにリードされているので、トラピーズに出たままでもトリムできる。  

マイラーフィルム製のメインセールはトップのみフルバテン。マスト、ブームはカーボン製である。 RS700はジェネカーとメインセールをトリムしながらティラー操作するというアクロバティックな操船だ。
また、シャープなバウ先からコクピットに向かってボリュームが増すが、全体像はフラットでフリーボードが低い。まるで皿のように浅く広いコクピットである。コクピットの座り心地は悪いが、通常はウイングに乗るスタイルが基本姿勢となるため問題ないだろう。  
RS700を乗りこなすまでは、少々時間が掛かるのも事実。ただし、乗りこなしたときに得るスピードは、どんなディンギーにも代え難い未知の世界だ。RS700は、究極のシングルハンド・ディンギーなのである。


ボートバランスを保ちながら快走するRS700。シングルハンド最速クラスのスピードを誇る。 RS700はトラピーズ状態になってはじめて性能が発揮される。オープントランサムで水はけにも優れている。
【Specification】
全長:4,680m
全幅:1,920〜2,330m
重量:56kg
セール面積:12.8m2(メイン)、16m2(ジェネカー)
どうしてRS700がいいのか?
究極のシングルハンダーであるRS700の魅力はそのスピードとなんといっても自分1人で乗れることです。ダブルハンドのパートナー探しなどに疲れているときに1人で波や風を攻めたい時こんなヨットに乗れたらなと誰でも思うはずです。確かにRSシリーズでも難易度は一番ですがセールを小さくすることによりヨット経験が浅い方でもトライできます。実際購入する方はヨット経験がある方ではなくスピードの魅力やかっこよさ思い切りのよい方が迷わず購入されているようです。ヨット経験が長い方よりもヨット以外のアスリートが経験年数を運動能力でカバーできるスーパーディンギーです。ウインドサーフィンやサーフィンから転向している方も多くいます。もちろん470やFJのクルーなどからの挑戦もいいと思います。私自身はハイクアウトディンギーからの転向のため始めは苦労しましたが今では後戻りができなくなりました。           Kazuyoshi Nakao