9. スキル向上のためのドリル
content by Ben Tan
reviewed by James O'Callaghan


 風のシフトを読む

 
上マークへの最速の道は、シフトとブローを完璧に使いこなすことである。もしこれができれば、ライバルが君に対して使える戦術的攻撃はないし、君が選んだタックにとどまるのを邪魔することもできない。風のシフトを読むことは、習得するまでに何年もかかる重要なスキルなので、今から習得し始めよう。
 
・長いビート
 長い上りは、風のパターンを習得するのに一番の方法である。それは、風向や風力の傾向を見る時間がとれるからである。上マークをセットするか、錨のついたもの何でもよいから使うか、あるいは目印だけでもよい。
 1人で練習する場合、コンパスを使うことによって自分がうまくできているかどうか考えることができる。シフトを見逃したり間違った予測をすると、自然に不愉快になるだろうし、シフトと同期できれば同調する感覚を得るだろう。1人での練習では邪魔するものはほとんどないから、ひとつひとつの要素に没頭しながら、シフトに完全に集中することができる。グループで練習している場合には、全員が同じスピードだとすれば、上マークに最初に到着したボートは明らかにシフトとブローを上手く使っている。
・ゲートスタート
 多くの場合、長い上りのためにコーチに常にスタートラインにいてもらうのは無理なので、ゲートスタートを練習することが必要となる。「ラビット」に任命されたボートはポート・タックのクローズ・ホールドでセイリングし、フリートの残りはその後を横切るようにスターボード・タックでスタートする(図9-13)。ラビットとフリートのタックは多様化のために逆にすることもできる。
 経験のないセイラーがいると、ゲートスタートは乱れてしまうので、最初のトライでゲートスタートを正しく行うための2つのヒントをあげておこう:
* ラビットはフリートのすぐ前を横切らなくてはならない。これはラビットがレイラインに乗りやすくする。残りのボートはスターボードタックに一列に並び、近くにかたまり、停止していなければならない。フリートがバラバラに動き回っていると、ラビットはレイラインにのることができない。

* ラビットがレイラインを見つけるのに最適の方法は、ビームリーチより少し落としてフリートから離れ、ジャイブでターンし、フリートに向かってクローズ・ホールドでセイリングすることである。



図9-13 ゲートスタート。黒いボートはラビットである。待っているボートは黒いボートのポートタックレイラインの付近にとどまっていること

「トレーニングというのは、結局、アメリカズカップレースよりももっとハードなものだ……」
かつてのレーザーセイラーで、2000年アメリカズカップのヘルムスマン、ディーン・ベーカーの言葉。チームニュージーランドのインハウストレーニングがチームをプラダに対する勝利へと導いた。