フィニッシュ

上マーク・フィニッシュ
 
フィニッシュに向けて加速し続けるために、厳しくハイキングし続けることが大切である。他のセイラーも同様に疲れているのだから、彼らに追いつくチャンスでもある。今こそ自分自身のスピードに集中する時で、他のボートに翻弄されるのを許容してはならない。
 スタートラインと同様に、フィニッシュラインにバイアス(傾き)があることもある。しかし、スタートラインと違って、ラインのバイアスを確認することはできない。フィニッシュラインを横切るのに好ましいエンドは風下エンドである。離れた所からバイアスを決める方法には2つある(図8-27)。
 最初の方法は、フィニッシュボートにかかげられた旗を使うものである。旗のなびく角度とフィニッシュラインとを比べる。旗のなびく方向がラインと垂直であればラインはスクウェアであり、旗とラインの角度が90度以上であればコミッティボードのエンドがフィニッシュするのに好ましいサイド、90度以下ならば逆のサイドが好ましいエンドである。
 もうひとつの方法は、フィニッシュラインの方位と波の角度とを比べてみる。波頭が風と直角にできると仮定すれば、フィニッシュするのに好ましいエンドは、風下へ動いてくる波が間に最後にぶつかる方のエンドだ。波が風に対して垂直でないこと(新しい風が吹きはじめた時や、漸進的シフトの鼾)もよくあり、この方法を使う前に波と風とが正しい角度になっているかどうか確認すること。もし離れている場所から判断するのが困難であれば、ラインに近づきながら、選択肢を広げておき、より近い方のエンドに向かってセイリングする(必要であればタックする)。


図8-27 フィニッシュラインの好ましいエンドを見極める。ここではスターボード・エンドが好ましい。コミッティボートの旗のなびく方向とラインの間の角度が鈍角であり、ラインの波に対する角度を心にとめておくこと。黒いボートのように、白いボートの先を越えるようにフィニッシュの直前でラフする。

 他艇と接近してフィニッシュする場合には、ラインを越す直前に風に向かって上らせることが順位を1つ2つ上げるのに役立つだろう。レーザーは短時間で推進力を失うので、早目に上らせてしまうという失敗は高くつく。これを正しく行うには熟練が必要で、特にラインの中央で行う場合は練習をする必要がある。

 ひとたびラインを越えたらフィニッシュ・ラインや他のボートから離れてセイリングし、ルール違反を避ける。これは特に軽風でマークの方に漂っていってしまう可能性が高い場合に重要である。

リーチングでのフィニッシュ
 最後のレグがリーチングで終わるような場合、コースを高くとるか、低くとるかがフィニッシュでの結果を決めることがよくある。レグが短ければ、先行艇を風下から追い抜く機会も時間もあまりないから、多くは高めのコースをセイリングする。高めのコースをとることによって、風を守りながら走りやすくなる。
 もし、ラインの風下エンドが絶対的に近く、そして風の強い時(そんな場合には軽量セイラーには選択肢はないかもしれないが)は低くめのコースをとる。運がよければ、先行艇は互いにラフィングしあって、風下へ通過するコースをあけてくれることになるかもしれない。