8 タクティクス=ポジショニングの技巧
content by Ben Tan
Reviewed by Jacob Palm and Lock Hong Kit
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タクティクス(戦術)とは、他艇に対してのポジショニングの技巧であり、これはチェスゲームに似ている。チェスの世界チャンピオン、ゲリ−・カパロフのように、他者との関係で自分のいる場所の全体像を捉え、現在の自分の位置の強み・弱みを評価し、次の1手を最適化し、そしてその先の2手、3手まで考えておくことが必要である。セイリングがチェスと違うのは、1手動かすのにより多くの身体的労力が必要となることだ。
ストラテジー(戦略)とは、他のボートに関係なく、風の動き、潮流、波、そして地理的な状況を考慮に入れながら、マークを回航するのに最速のコースとなるレースプランを採ることを意味する。フリートレースでは、タクティクスとストラテジーは密接に関係している。たとえば、上りレグでスターボードタックのボートに近づいている場合、そのボートのバウを横切りポートタックを続けるか、あるいは横切る前にタックをするか(すなわち、これが戦術的決定となる)の判断は、どちらがそのコースの正しいサイドで自分にとってどれくらい好ましいのか(すなわち、これがレースの戦略となる)ということによる。これらの理由から、レースの戦術を戦略との関係で見ていこう。
スタート前の準備
レースのストラテジーは、事前に集めた情報に基づき、これに自身が観察した事を補足して立てる。必要不可欠な情報の収集はレース前から始まっている。前日の夜は帆走指示書を読む。コース配置はどうか? コースの大きさはどの位か? コースは海岸線にどの位近いか? こうした要素と、帆走指示書の要素がストラテジーに影響を及ぼす。
翌日クラブへ行く途中、空を見上げ、低層の雲の方向・スピードを記録し、現在の風についてのアイデアを得ておく。もし、観察した風が季節風の方向であれば、おそらく風向は安定する。風向が予報どおりであれば今後の天気予報もほぼ信頼できる。風が時速20ノット(秒速約10メートル)を超えていれば、風向に関わらずシーブリーズは発達しない。
クラブに着いたら掲示板に立ち寄り以下の点を見ておく。
*天気図、衛星の画像、天気予報
*潮汐表
*帆走指示書の変更
クラブが気象・潮の情報を提供していなければ、インターネットや新聞といった他のソースを見る。潮汐表は事前に公開されており、クラブのニュースレターに載っているかもしれない。
ボートの艤装、装備の点検、レース前の栄養補給(食事と水)、ストレッチングなど、することはたくさんあるから、一連の作業フローを考えておく必要がある。スタートの30分から1時間前にレース海域に到着するように