6 風パターンと戦略
content by Ben Tan
reviewed by Meteorological Service Singapore and Jacob Palm

 天気予報官の言葉


 天気予報が外れた時、セイラーたちは天気予報を批判する。そして、失敗を予想のせいにする。しかし、天気予報官をスケープゴートにする前に、心に留めておくべきことがある。
・海岸の天気を予測し、さらには海運の予想さえする気象学者だが、ヨットレースに気を配る者は多くない。
・気象学者はより大きなスケールで天気に目を向けるのに対し、私たちセイラーが関心を持つのは比較的小さなレース・コースの天気だ。
・気象学者は、たとえば、すぐ近くの雲、現地の風の傾向などのように、私たちがレース前に集めることができる追加情報より、多くを知っているわけではない(彼らが見る雲は衛星写真のものであり、私たちは風がスタートの前1時間にどっちに回っているかを知ることで予測することができる)。
 実際、私たちが自ら観察して、最新情報を気象サービスによって与えられる情報に加えれば、レースエリアに関する予想は気象学者の予想より論理的に正確になるはずだ。気象予報官の予想だけに頼ってはならない。
 では、気象サービスは、どのように私たちの役に立つのだろうか? 自分自身の観察を補足するために必要なのは、最新の天気図、衛星画像、天気予報だ。
 予想をする上で、気象学者の意見は少し考慮すればよい。そして、彼らの意見に疑念があれば、少なくとも客観的情報(天気図と衛星画像)を使用する。天気図と衛星画像は天気の瞬間的な記録を伝えるものだから、傾向に関する情報は連続した天気図か写真から引き出さなければならない。注意すべき天気の傾向は、高気圧、低気圧の動き(方向、速度)、気圧の変化、そして前線の動きだ。
 どこで、天気情報を手に入れればよいだろうか? 大きなレガッタでは、天気図と天気予報(衛星画像はあったりなかったり)は、ノーティスボードに掲示され、これらは最新の情報と考えられる。ほかのよい情報ソースとしてはインターネット経由の情報がある。多くの気象サービスによって、最新の衛星画像を含む最新情報が提供されている。他のソースとしては、新聞とラジオ(予想だけ)もある。
(編注=日本ではインターネットを通じて、気象庁発表の沿岸波浪図および予想図、高層天気図および高層天気図・海上風予想図、週間予報支援図などの専門天気図が入手でき、風の予想に役立てることができる)