5 マーク回航

content by Ben Tan
reviewed by Alexandra Nikolaev and Lock Hong Kit





 下マーク

 次のレグはリーチングか上りのいずれかだ。次がリーチングとなる場合(トラペゾイドコースで3番マークをランからリーチング・フィニッシュに向けて通過する場合など)には、リーチングに備えてバングを引いておく必要があり、これはマークに到達する前に行っておくことが望ましい。
 次がアップウィンド・レグの場合はもっと難しい。ここで重要なことは、マークから離れて入り、マークのギリギリ近くを通過することだ。こうすれば他艇がマークと自艇の間に割り込んで自由にタックできなくなるのを妨ぐことができる。
 下回航から上りに入る時に、前のボートの風下につかまらないように注意する。スローダウンしてもよいから、前のボートのトランサムに向けて直接上らせるようにする。前のボートが大回りしたら、前のボートとマークの間に割って入る。
 次がアップウィンド・レグとなる下マーク回航は、以下のステップで行う(図5-3)。

1. 事前に計画を立てる 下マークに近づく間に後ろをさっと見て、ガスト(あるいは他の要素)がないかを確認し、下マーク回航直後にタックすべきかどうか判断する(図5-3)。

2. ハイキングストラップ リーチングのために、ハイキングストラップをきつくしていたならば、上りレグのために緩める。

3. メインシート それまでにブームブロックから直接メインシートをトリムしていたならば、マークの手前約10mで、メインシートをメインシートブロックからとるようにする。

4. センターボード センターボードを完全に下げる。

5. カニンガム 必要があれば、体重をかけてカニンガムを引く。(図5-3b)。

6. 権利を確立する 2艇身圏内に入る直前に、周囲のボートに向かって自分の権利を口頭で主張する。内側にいるがオーバーラップしていないボートに対しては、“2艇身。入れないよ!”(Two lengths, no water! )と叫ぶ(図5-3c)。
 外側にいて、あなたがオーバーラップしているボートには、“2艇身。水!”(Two lengths, water! )またはシンプルに“水ちょうだい!”(Water!)《上品にいきたければ、“Water please”と言ってもよい》と叫ぶ。これらの簡潔で、国際的に理解されるステートメントはマーク回航の際の争いを最小化するために重要なものの一つだ。

7. 大きく入り、ギリギリを出る 自艇の真横から測って、下マークまでおよそ1.5艇身の間隔でターンに入る(図5-3d)。クローズ・ホールドになったら、両手でメインシートを素早く引き込み、できるだけマークの近くを通過するようにする(図5-4)。
 上り角度を得るためにボートをわずかにヒールさせるのはよいが、クローズ・ホールドになったらボートをフラットにすること(図5-3e)。クローズ・ホールドのコースに乗ったらタクティカル・コンパスを確認し、自分がリフトにいるかヘッダーにいるかを確認し、必要ならばシフトに合わせてにタックする。

8. バングとアウトホールをきつくする 上りレグに入りフルスピードでセイリングし始めたらバングの緩みをとり(図5-3f)、必要ならばアウトホールをきつくする。足元にメインシートが散らばっていたら片付ける。



図5-3 下マーク回航


図5-4 下マークでは、大きく入りギリギリに出る

 連続写真5-3では、ボートはポート側のマークを回航している。最近では風下ゲートも多く使われているので(下マークでの渋滞解消のために)、スターボード側のマーク回航の練習もしておくのもよいだろう。



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