4 タック、ジャイブ、ペナルティ・ターン

content by Nick Adamson
reviewed by Alexandre Nikolaev and Lock Hong Kit




 ジャイブ


スタンダード・ジャイブ

 以下に述べる一般的なジャイブは強風と順風で用いられる(図4-3)。
l. ジャイブする前に、ボートをサーフィングさせる(もし波が十分に大きければ)。サーフィングさせることで、見かけの風は減少し、激しいジャイブを防ぐことができる。
2. 波の前面でベアしていく。同時に、メインシート・ブロックから腕の長さの2〜3倍シートを引き込み、ヘルムの抵抗をほとんど感じなくなるまでアンヒールさせる(図 4-3a)(アンヒールによって、回転で発生するラダーの抵抗を除去することができる)。
3. トランサムが風位を越えたら、メインシートをひと引きすることでブームがジャイブするのを補助する(図4-3b)。あまり激しく引くと、メインシートはブーム・エンドに巻きついてしまう。
4. ブームが返る時、反対側に体を移動し、S字コースを描くようにベアさせる(図4-4)。ボートの中央を越える際に、前にある手でブーム・ブロックからメインシートをつかみ、メインシートのたるみを取ってもよい(図4-3c)。こうすればシートがトランサムの角に引っ掛かったり、ブームが水をすくうのを防ぐことができる。ブームが新しいタックの位置に決まる前に(図4-3d)突然のプッシュ(ガスト)があった時、その力を生かすために次のことを確認しておこう:
 ヒール・モーメントに対抗するために、体重が新たな風上側に移っているか。
 ブームが返る動きがボートをランニングの方向に押し出すように、ボートがデッドランに近いコースにのっているか。風が強ければ強いほど強いほど、デッドランに近いコースをとらなければならない。




図4-3 スタンダード・ジャイブ


図4-4 ジャイブはS字形のコースをとる。ブームが返る時にボートはデッドランになる

5. ティラーとメインシートを持つ手を替えて、セイルをトリムし、そして、波を滑り下りるようにする(図 4-3e)。

・強風でのジャイブ
 強風でのジャイブは、恐ろしく感じるかもしれない。しかしながら、以下のポイントに従えば、安全に沈することなく行うことができる:
 ボートスピードが速ければ速いほどジャイブは安全にできる。ジャイブするとき、ボートがプレーニングしていることを確認する――こうすることで見かけの風は弱くなり、リグに働く力はかなり減少する。もしプレーニングする前にジャイブしなければならなくなった場合は、少なくとも、比較的フラットな水面でジャイブするように試みることだ。
ブームが返った時のヒールを押さえるために、ブームがセンターラインを越えたらすぐに、デッドランの方向にベアさせること。
 新たなタックでコントロールを確立する前に、絶対にブームが90度以上出ないように注意しなければならない。これは、しばしばデス・ロールを招く。

・ロール・ジャイブ
 ロール・ジャイブ(図4-5)は、軽風でボートを推進するのを助ける、また、メインシートがトランサムの角に引っ掛かるのを防ぐためにも有効だ。これは、ジャイブ中にブームが返る時、メインシートが水に入って後ろに引かれてトランサムの角を回ってしまう時に起こる。この面倒な問題は、ジャイブに先立ってアンヒールさせてメインシートを水面から離すことで防ぐことができる。
l. メインシート・ブロックからシートを腕の長さの2、3倍引き込み、同時にベアする(図4-5a)。
2. ボートを少しヒールさせ(図4-5b)、メインシートを持った手でハイキング・ストラップをつかみ(メインシートをつかんだまま)、風上へボートをロールさせる(図4-5c)。



図4-5 ロール・ジャイブ

3. ブームが返るときに反対側に移る。体がセンターラインを越える際に、ブームの前のブロックからメインシートをつかんでたるみをとってやる(図4-5d)
 新たなタックでは、ブーム・エンドが水面に当たらない程度にヒールさせる(図4-5e)。
4. ティラーを真直ぐにして、行きたい方向にボートを向けたら、体重でボートをロールさせてフラットにすれば、ボートの前進する力が増大するのが分かるだろう(図4-5f)。この一連の動作で発生するパワーを最大にするために、新しいタックでセイルが風をはらむまではボートをフラットにしてはならない。
5. メインシートとティラーを持ち替え、新たなコースに向かってセイルをトリムする(図4-5g)。

 軽風下で、特にランニングからランニングへのジャイブ(ジャイビング・マークではなく)でのもう一つのジャイブの方法は、セイルを返すためにトラベラーの上にあるメインシート2本をまとめて引く方法だ。ティラー・エクステンションの端でメインシートを拾い上げれば、シートをつかむために後ろに動かないで済む。この方法はコース変更が最小ですむから、他艇が近くにいるときには理想的である。