2 セイルチューニング

content by Ben Tan and Jacqueline Ellis
reviewed by Rod Dawson




 セクション・シェイプとセイルの力


 深いセイル(フルセイル)は、車の一速ギアのようによく加速するので以下の状況に適している:

* ボートをフラットにできる体重とフィットネスがある場合。
* 波のある時のアップウインド。短い波はボートをストールさせるので、フルセイルにしておき、波を越えるごとにボートスピードをあげるのに役立つ。
* リーチングあるいはダウンウィンド。
 アップウインドでは風速12ノット/時(6m/s)くらいですでに最大限ハイクアウトしているので、ボートをさらにフラットにするためにはセイルのコントロール、トリム、ステアリングが必要となる。欲張ってパワーを求めてはいけない。セイルをパワーダウンさせることも時には必要である。たとえヒールしているレーザーがよりパワフルなセイルを持っていたとしても、フラットなボートはヒールしているボートよりも速い。
 非常に弱い風の時(図2.11)には、深いセイルはブレイク・ポイントを前に持ってきてしまう傾向があり、 これによって空気の剥離が早い段階で起きてしまう。セイルに張り付くような風下の空気流を保つには、セイルをフラットにすることが肝要である。アップウインドでは、フラットなセイルにより小さなアタック角度が加わることで、より上ってセイリングできるようになる。
 フラットな水面で、かつ軽風から中風の場合のアップウインドは、相対的にフラットなセイルが優位になるもうひとつの局面である。ボートを邪魔する波がないため、ポインティング能力(上り角度)を保つためにパワーを犠牲にすることも魅力的な選択肢である。


図2-11 非常に弱い風でのクローズ・ホールド。バングはブロック・トゥ・ブロックの位置から30cmまで引き、風下の空気の流れがセイルに付着しやすくするためにブームを押し出す

 セイルチューニングではボートの“感覚”がもっとも重要な要素だ。オーバーパワーに感じるか? ボートが水中をうまく滑らないような感じがするか? ボートがストールし、早く走らないと感じるか? もしそうならば、どこかを調整しなければならない! ボート感覚を身につけることによって、試行錯誤のチャンスが与えられ、やがて教えられた数字や一般的ルールではなく、ボート感覚によってコントロールを調整することができるようになるのだ。
(ジャクリーン・エリス)