1 レーザーの準備

文=Steve Cockerrill and Jacqueline Ellis




 フォイル


表面仕上げ

 ハルと違って、フォイル(つまりセンターボードとラダー)は最初の形状、厚さと固有の特徴を変えることがなければ、表面の再仕上げが許されている。では、最も速い表面とはどんなものか? これについては2つの意見がある。最初の意見は、非常に細かい傷をつけられた表面は、その上に水の薄い層をつくるから、摩擦は表面に付いた水の層とそれに接する水の層との間にしか生じない、というものだ。2つの水の層の間の摩擦は、フォイル表面と水との間の摩擦より少ない。サメはざらざらした肌を持ち、ざらざらの表面とスピードが共存することを証明しているように見える。この考えの支持者は、表面に水の層をつくるために、400番の耐水ペーパーで、水の流れる方向に交差するように、または円を描くようにフォイルを磨く。仕上がった表面に水を注いだ時、水が平らに広がればよく、水玉ができてはいけない。
 もう一方の意見は、なめらかで磨かれた表面がより速いと主張する。これを証明する研究もあり、この考えがより広く認められている。ここでは、1000〜2000番の耐水ペーパーで、水流の方向に磨くことを推薦しよう。いずれにせよ、より良い仕上げのためにサンディングブロックを使うこと。
 どちらにするか決心できなくても心配はいらない。抵抗は、ラミナー・フローとハイスピードが存在する場合は重要な意味を持つ。フォイルの周囲の水流は、リーディングエッジ(先端)以外で乱れやすい。だが、レーザーはそんなに速くない(スキフと比較して)から、2つの表面仕上げの間の抵抗の違いはこのクラスでほとんど差はない。
 フォイルのトレーリングエッジ(後端)には、特別な注意が必要だ(特にセンターボード)。プレーニングするとき、トレーリングエッジが不均等だったり不規則なセンターボードでは、水流は一方から他方へ流れを変え続けるので、左右にはためく旗のように微動してしまう。これが振動とハミングを起こし、ボート・スピードを落としてしまう。熱い日に車の中やボートカバーの中に放置されたりして、過度の熱から反ってしまったエッジは真直ぐにする必要がある。ヘアドライヤーで反った部分を熱して柔らかくし、2枚の平坦な板の間で締めつける。わずかな凹凸のあるふぞろいなエッジは、両面を均一に磨いて整える(または、常に同じ側から水が出ていきやすいような角度をつける)。トレーリングエッジは鋭くしないこと。

センターボード

 
センターボードのゴムのテンションは、ダウンウィンドのセイリングでセンターボードの位置をいっぱいに上げておけるように強くしておかなければならない。そうでなければゴムを短くする。また、上りの時にセンターボードがいっぱいに下がった位置に固定するために、センターボード・フリクション・プレートを調節する。センターボードを固定するために定期的に交換すること。プラスチック・センターボード・ストッパーが緩くなっていれば、両方を正しい方向に向け、カチッと音がするまで強く押さえる。また緩んでしまうのを防ぐためにシリコンで接着しておく。
 センターボードにロープハンドルを固定する。直立させたハンドル(図1-4)は、ブーム・バングの端を水中に引きずらないようにかけておくために使うことができる。代わりに、バングの末端を1m長くして、センターボードのハンドルに結びつけ、つかみやすいように、あまりをメインシート・クリートの近くにくるようにしてもよい。 

1-4 直立させたハンドルはバングの末端を水中に落とさないようにひっかけておくことができる

ラダー

 
着艇時にラダーブレードを上げておき、動いたりしないようにするために、ラダーボルトを締めておく必要がある。ラダー・ボルトをはずし、2つのプラスチック・ブッシングの内側をl mm削り取る、そして締め直す。フォイルを保存したり、携帯するとき、センターボードに傷をつけないように、ボルトの出っ張りはやすりで削っておく。
または、ボルトとブッシングを9.5mm径ボルトと取り替えてもよい。

ラダーをしっかり下ろしておくために(ラダーがきちんと下りていないと舵が重くなる)、ラダー・ダウンホウルに3:1の減力システムを使って(図1-5)、クリートする前にダウンホウルを強く締めておく。きちんとしたダウンホウルを使えば、ティラーをラダーストック(舵柄)にしっかり固定できるから、保持ピンは必要なくなる。ジャイブするとき、メインシートがピンに引っ掛からないように、ピンを取ってしまう。
 ラダー軸(ピントル)とガジョンの間にワッシャーを入れるのは許されている。こうするとガジョンの磨耗を防いで、滑らかに動くようになる。ティラーがトランサムでデッキにすれるようだったら、ワッシャーで解決できる。


1-5 ラダー・ダウンホールの減力システム。標準装備のラインの長さで可能だ
 

ティラー

 単純な「棒」でありながら、よいティラー持つことによって大きな違いが生ずる。軽量カーボンファイバーのティラーは、強くて、よりよい感触を伝える。交差部分が低くフラットなおかげで(それでも十分強い)、タック、ジャイブ時にトラベラーブロックはティラーに当たらない。(図1-6)。遊びをなくして、舵から戻ってくる感覚を向上させるために、ティラーがラダーストックにきちんと入っているか確認する。


1-6 フラットな形状のカーボン・ファイバー・ティラー。タッキングの際トラベラー・ブロックはたやすくティラーを乗り越えるし、トラベラー・クラムクリートも十分クリアしている
 

ティラー・エクステンション

 ティラー・エクステンションには、いろいろな長さ、直径、材料のものがある。
カーボンファイバーものは、最もタイトなものである。強いけれども、折れることがある。カーボンがその全長をきちんと覆っていれば、破損することはまずないだろう。この素材はトウィル(綾織)というが、残念なことに高価だ。
 フラットにハイクアウトするとき、ティラーエクステンションを持ちながら、手は胸の高さになければならない。また、エクステンションが長くすぎるとタックの際に邪魔になる。また、短すぎればハイクアウトしながらさらにティラーを押すことが難しくなる。長いエクステンションを買い、それから、あなたに合った長さに切るのがよい。ティラーエクステンションのユニバーサルジョイントのゴムに亀裂がないか定期的にチェックすること。


ジャッキーのラジアル・セイラーのための秘訣


ラジアル・セイラーはティラー・エクステンションの太さに特に注意したい。ラジアル・セイラーは女性、少年や小柄な人の場合が多いから、ボートに付いてきたものやフルリグでよく使われるティラー・エクステンションは太すぎることが多いのだ。私はいつも一般的なティラー・エクステンションではつかみにくく、ステアリングするのが難しいと思っている。特にハンドインハンド(両手で交互に)でシーティングすることが難しい。そこで私は、長いフォームグリップをつけた細いティラー・エクステンション(実際にはB-14ティラー・エクステンションを縮めたもの)を使うようになり、これは非常に使いやすい。長いフォームグリップのおかげで、ティラーとのジョイント間際をつかむこともできるし、強風のダウンウインドでもしっかりグリップできる。