レーザーは単純で耐久性のあるボートで、わずかな準備をすることで、より簡単により楽しくセイリングできる。このワン・デザイン・クラスでは、クラス・ルールによる特別な認可なしには、艇にどんな追加も変更も加えることができないというのが基本的ルールだ。したがって、基本的な準備さえすれば、ボートに関わる時間を短くし、自らの技術とフィットネスの向上に多くの時間を費やすことができるのだ。
ハルとハル・フィッティング(船体と船体装備)
ハル
新しいボートを受け取っても、最初のセイリングのあとでハルがドライであることを確認するまであまり興奮するべきではない。最近では新艇は、めったに水漏れすることはない。しかし、もし水漏れがあったら、センターボードケーシングとガンネル、そしてフィッティングをチェックする。ハル全体にせっけん水を使ってハルの空気漏れをチェックしよう。まずコックピットの前隅にある空気穴をシールしておく。次にずべてのフィッティングにせっけん水を塗り、ドレン・ホールから空気を吹き込めばよい。そして、もし泡立つ個所があったらシリコン防水材でフィッティングをシールしなおす。
新しいハルのマスト・ステップは、最近では重視されているために整合性が高い。マストのボトムセクションの一番高い所からポートとスターボードのハルの長さが等しいことを確認しておくのが無難だ。ボトム・セクションのトップからトランサムまでの長さは、マスト・レーキとリーチ・テンションに影響を与える。自分のボートがあまり違っていないことを確認するために、速い艇のハルとこの長さを比較してもよいだろう。
表面抵抗を減らす為にハルに自己融解性塗料を使用することは、ハルの再仕上げとともに禁止されている。時間はかかるが、ルール上問題がないのは、ハルをきれいに保ち油の付着を防ぐために洗剤(例えば食器用洗剤)で洗うことだ。ボディ・ソープは軟化剤が含まれているかもしれないから、クラブルームのシャワーから盗んだ石鹸を使ってはいけない。引っ掻き傷は耐水ペーパーで磨く。そして、かき傷が深いときは充填材を使う。
ハルを保存するときは、ボトムのどの部分にも圧力がかからないように注意する。船台の上で保管する場合は、ガンネルの下からハルを支えるようなものを手に入れよう。
メインシート・カムクリート
あなたがレーザーの初心者であるとすれば、初めは多分これらのクリートに頼っているだろう。そこで、メインシートが滑り出ないように、固定しやすくはずしやすいクリートが重要になってくる。ハイクアウトした時邪魔にならにように、クリートは十分前に付けること。(図1-1)しかし、デッキ内部裏側の木の支持プレートの範囲内でなければならない。(これらのプレートの位置はレーザー・ハンドブックの測定図を参照)
図1-1 メインシート・カムクリートの位置。メインシートのサポート・スプリングの周囲のテープとメインシート・ブロックに貼ったマーキングに注目
よいメインシート・ブロックは、なめらかに滑り、アップウインドではラチェットをかけることでセイリングを容易にし、オフウインドでは感覚が伝わりやすいようににラチェットを外すことができる、信頼できるラチェットを備えたブロックだ。レースを通してラチェットなしでセイルリングするのであれば、スイッチが偶然に動いてしまうのを防ぐために、シリコン(またはテープ)でスイッチをオフの位置に固定する。
メインシートを間違った方向から引かないように、ブロックのメインシートを引き込む側にマーカーかテープでマークしておくとよい(図1-1)。また、ブロックを支えているスプリングにメインシートが食い込むのを防ぐために、スプリングにはダクト・テープを巻くか(図1-1)、スプリングの代わりに半分に切ったテニス・ボールを使ってもよい。
アクリル素材でカバーされたパッド入りのハイキング・ストラップは、つま先でハイクアウトする際にグリップがよいので、ハイキングのパフォーマンスが向上する。長さを調節できるもの(図1-2)を選ぶ人も、固定されたものを選ぶ人もいる。タックの後、ハイキング・ストラップを引っかけ損ねてボートから飛び出さないように、ハイキング・ストラップをコックピットの床より上にしておくために、ショックコードをトラベラー・クリートに取り付ける(図1-3)。
さらに確実にするために、次にストラップを交換する時はストラップの前の端をセンターボード・フリクション・プレートとメインシート・ブロックのプラスチックプレートに固定するのもよいアイデアだ。

図1-2 調節できるハイキング・ストラップはリーチングで締め、アップウインド・レグで緩める。いずれのシステムも摩擦を利用しているので6mmラインを使うこと。いずれも1.6mで十分だ

図1-3 ハイキング・ストラップのショックコードはトラベラー・クリートに取り付ける。750mlのウォーター・ボトルがハイキング・ストラップのアイストラップに付けてある
抵抗を減らし排水能力を向上させるために、ベイラーのエッジとハルとの間の段差をシリコンで埋める。また、中央のネジ穴を表面と同じ高さになるようにシリコンで埋める。
砂浜から出艇する際には、マスト・ステップに砂を入れないように注意すること。マストのボトム・セクションのエンドキャップには砂粒をとらえるようにデザインされた溝があるから、傷んできたら交換する。