12 実戦的セイリング心理学=重要なツールキット
by Trisha Leahy![]()
メンタル・リハーサル
メンタル・リハーサルは、進んだスポーツではよく使われるメンタル・スキルである。頭脳には素晴らしいキャパシティがあって、それが実際に起こっているかのような状況を明確にイメージすることができる。運動選手はメンタル・リハーサルを、新しいスキルを練習したり、高揚した状態を得たり、ケガから回復したり、あるいは単にリラックスするために用いている。メンタル・リハーサルを使って、挑戦的な状況にうまく適応するための練習をすることで本当に自信を改善する。レース前の緊張感がよいスタートを切るのに邪魔になっている場合、コーチと一緒にこの状況を打開する適切なプロセス・ゴールを作成する。そして毎日何分かを使ってこれらのゴールを上手に達成するようなイメージトレーニングをしよう。メンタル・リハーサルは段階を追って行う、つまりスタート前から8章で述べたスタート前のルーチンを行い、そして素晴らしいスタートができることを想像する。風の強さの違いとか、ポート・スタボーのバイアス、スタートラインの長短など、異なる状況の中でもそれぞれのステップを成功裏に行う自分を想像しよう。
メンタル・リハーサルの長所は、練習のために多大な時間を要しないことである。一日に数分でよい。電車の中、あるいはバスの中、ハーバーあるいは自分のボートの中でもできる。簡単なメンタル・リハーサル練習をここにいくつか示す。
・メンタル・リハーサル練習
どんなに身体が十分に準備されていても、精神面の練習が十分でなければ早い上達は望めない。この練習の目的は、長時間のセイリングや悪天下のトレーニングでも精神的準備状態ができるようになることだ。
《ステップ1》
ウォーミングアップを始める前にまず座る。場合によっては目を閉じてもよい。数回大きな深呼吸をする。息を吐く間、自分の息の音に集中し、少し自分自身をリラックスさせよう。
次に、自分の周りの物音に注意を払う。数分間、心の中を見つめ、自身の心の中で何がおきているのか確かめよう。何を考え、何を感じているのか? ここに来る前の仕事や学校での出来事を考えているのか、あるいはトレーニングの後にすることを考えているだろうか。自分の心の中にトレーニングを邪魔するようなものはあるだろうか。あるいは、天候によって自分の感情がコントロールされてはいないだろうか。これらの気がかりなことを無理やり心の外に追い出すようなことをしてはいけない。そうではなく、それらを心の中でひとつに集め、スポーツバッグの中に衣類と一緒に入れて、バッグをきつく閉じておこう。トレーニングのあとで着替えのためにバッグを開けたとき、こうした心配があったということを思い出せばよい。
《ステップ2》
ここでまた深呼吸をしよう。息を吐き出している間、自分の呼吸音に集中し、自分自身をリラックスさせる。先と同様に心の中をのぞいてみて、このトレーニングセッション(たとえば波のある場合の上り)のプロセス・ゴールを考えて、それが導く長期的な結果ゴールについてもう一度考え直す(オールラウンドな上りのボートスピード)。こういった目標の重要性を直し、そして今日は100%の力を出し切るんだと決める。そうしたレベルで目標が達成できる自分を想像し、さらに、その日の終わりに得られる大きな満足感も想像しよう。
さあ、力強く深呼吸をして、力がみなぎり、これからやるぞと感じよう。
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